♦酵素ってそもそも何?♦

酵素とはタンパク質の種類の一つです。

身体の中では、様々な化学反応が常に起こっており、それぞれ化学反応を引き起こすための触媒という役割のものが必要ですが、その触媒になるタンパク質を酵素といいます。

また、タンパク質であるので、当たり前に分解されて別の物にもなります。

▢酵素の特徴

  • 人の体内には約5000種類
  • 触媒として作用し、反応させる
  • それぞれが限られた環境下でしか反応しない
  • 酵素が作用して物質が化学反応を起こす
  • ほとんどの種類の主要な構成要素はタンパク質
  • 基本的に加熱に弱い種が多い
  • 基本的にphの変位に弱い種が多い
  • 消化・吸収・代謝等に必要不可欠
  • 発酵・腐敗には必要不可欠
  • 体内で生成されるものと、食品由来のものがある

▢酵素の種類

【消化酵素】
主にでんぷんを分解する《アミラーゼ》、タンパク質を分解する《プロテアーゼ》、脂肪を分解する《リパーゼ》があり、それぞれ分泌臓器や分解する栄養素によってさらに細分化されています。
胃や膵臓、小腸等消化器官から分泌されるもので、食べたものを血中に取り込める大きさにするために働いています。

【代謝酵素】
消化酵素によって栄養素が体内でエネルギーとなったものを身体の中で働かせる役割をします。
運動、呼吸、脳での思考、老廃物の排出、ウイルスと戦う、肌の新陳代謝など人間の生命活動の中で働いています。

【食物酵素】
消化酵素を節約し代謝酵素の量を増やすことや代謝酵素の働きをサポートする役割が《食物酵素》です。
生野菜や果物、刺身等の新鮮な食品、納豆や味噌などの発酵食品に含まれる食物酵素は消化を助け、体内の消化酵素の無駄使いを防ぐような役割をします。
消化酵素が節約されると、代謝酵素に余裕ができるので新陳代謝が良くなり、病気の予防や解毒作用が高まったりします。
加工食品や市販の惣菜類、冷凍食品等は控えめにして新鮮な食材を積極的に摂取することで、代謝酵素の働きをサポートすることになるので、お肌の調子や胃腸の調子が改善されやすくなります。

♦酵素ドリンクとか酵素ジュースとか♦

酵素ドリンクとか酵素ジュースといった類のものは実は何をもってそう呼んでいるか定義が曖昧で、言ってしまえば私個人としては結構胡散臭いと感じます。

大事なことは、
●限られた環境でしか働けない(phと温度と濃度)
●基本的に熱に弱いものが圧倒的に多い
●胃の内部はph2の強酸性なので、そこでほとんどが分解される
●口に入れて食道までしかそのままでは作用しにくい(胃で分解されるから)

ということは現実として絶対なので、忘れてはいけません。
酵素を口から取り入れたといっても普通に考えてそれが全身にうまいこと回るなんてことは無いと言えます。
これはサプリ等に関しても同じことが言えます。

♦酵素シロップとは♦

色々なサイトの記事を読んでて思うのは、どこをどう考慮しても『酵素シロップ』ではなく『発酵シロップ』、と個人的には思うのです。具体的な方法はほとんどが砂糖と共に果物を漬け込む方法。
元々果物に含まれていた酵素によって砂糖が分解され、ブドウ糖と果糖になります。
つまりよりナチュラルに甘くなります。
そして果物に含まれるタンパク質は酵素により分解され、アミノ酸となります。
つまりより旨味が出ます。
どちらも発酵という現象で、間には酵素という存在が不可欠です。
酵素が無いと発酵しません。

なにが言いたいかというと、酵素シロップではなく、酵素により発酵させた発酵シロップという言い方がしっくりきませんか?ということです。
そんなことどうでもいいかも知れませんが、酵素ジュースとか酵素ドリンクとか酵素〇〇なんかも同じような事が言えます。
いや、酵素〇〇なんてそもそも酵素が入ってるという意味ではなく、酵素によって作られた酵素〇〇。いや、結果的に酵素も入ってるんですけどね一定量。
そもそもいくら酵素が入ったいたとしても(現に入ってはいますが……)それがそのまま作用するのが期待できるのは食道までであって、ほとんどが胃で胃液により分解されます。非常に強力な酸性の胃液によって。
もちろんphの変化に強い酵素も存在するので、そういうのは胃を通り越して腸まで届くでしょう。

もっと何が言いたいかというと、『酵素〇〇と名の付くものはカラダに良いもの』、と決めるのはあまりにも盲目的だということです。もちろん栄養素の類なので、嘘ではないのでしょうが…
『このこれ酵素がたくさん入ってて~』なんていうセリフは滑稽極まりません。
Web上でそういう記事も見ますが裏付けが無い薄い記事だと判断して下さい。

♦口から入った酵素がどうなるか?♦

で分解されます。

俗に言う胃酸によって普通に分解されます。
胃の中はph2という強力な酸性環境である為、大概の物質に関しては胃の中で分解されてしまいます。
経口摂取したものがそのままの状態で体内に吸収されるのは、概ね食道まで、と考えるのが妥当です。

要するに酵素〇〇を口から摂取したところで、本来胃の中に存在するタンパク質分解酵素により、ほとんどの酵素が胃の中で分解されて別の物になってしまうということです。
しかし中には強力な酸性環境にも耐えうる物質もありますので、それはそのまま腸まで届くということが言えます。

基本的に酵素はなんの食べ物にも入っており、わざわざ酵素〇〇として別に摂取する必要は全くありません。

♦事実♦

つまり、よく書いてあるようなメリットは実はほとんど期待できないというのが事実です。

かといってその全てを否定するつもりもありませんし、正直悪いものではないとも思ってます。が、解釈がズレていると感じます。
『酵素がたくさん入った酵素〇〇』というより、『酵素によって発酵された発酵〇〇』だということが自然だということです。

しかしまぁそんなことを意識して頭が固くなるよりももっとシンプルに、なるべく化学調味料が多用されたものを控え、旬の物を中心にバランスよく色々な物を食べるということが最も大事だと考えます。

あらゆる情報が手に入ってしまう昨今ですが、曖昧で裏付けが無い薄い記事も非常に多いので、ちゃんと自分なりに一つ一つ考えて判断していきたいですね。

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